キュラソーとは、リキュールの一種で中性スピリッツやブランデーにオレンジの果皮の香り成分と糖分を加えたものです。
オレンジの良い香りがする甘いリキュールで、様々なカクテルに使用されるバーでは定番のお酒でしょう。
いわゆるオレンジのリキュールになりますが、その製造にはオレンジの果汁や果肉は原則として用いられず、果皮のみを使用しています。
ようは、味はしないが香りはするってことですね。
17世紀後半に、南米ベネズエラ沖のオランダ領キュラソー島産のオレンジ果皮を使用してオランダ本国から作り出されました。
そのオレンジの産地の名前を取ってキュラソーと名づけられました。
リキュールの中でも、キュラソーは銘柄数が多いです。
有名なものはホワイト・キュラソーの「コアントロー」と、オレンジ・キュラソーの「グラン・マニエル」です。
このあたりのものは、有名なカクテルに用いられていますね。
ボルス、デ・カイパー、キューゼニア、マリー・ブリザールなどのリキュールメーカーもそれぞれキュラソーを出しているので、世間的には膨大な量のキュラソーが出回っているといえるでしょう。
なお、18世紀中ごろのオーストリアの女性マリア・テレジアは、コーヒーカップにキュラソーを注ぎ、そこにホットコーヒーを加え、さらにホイップクリームを浮かせて小さな飴を乗せた飲み物を好んだといわれています。
王女様ともなると、コーヒー一杯飲むのにも、ここまで凝るかという感じですね。
しかし、この飲み方をこんだのは王女様だけではなかったようで、この影響でウィーンではコーヒーが普及したとも言われ、1980年のマリア・テレジア没後200亜年のイベントでは、オーストリア中のコーヒーハウスのメニューに、彼女が好んだと言われている上記のドリンクが「カフェ・マリア・テレジア」として載せられたそうです。
ちなみにこの「カフェ・マリア・テレジア」、どことは言いませんが、ここ日本でも飲ませてくれるお洒落な喫茶店は数多くありそうですよ。
さらに、コアントローやグラン・マルニエをホットコーヒーに入れて飲むことが、フランスやイギリスで広まっていたりもします。
ヨーロッパの人たちはコーヒーを愛するあまり、アレンジにも力を入れているようですね。
私たち日本人は緑茶を愛していますが、一方私たちは変わらない飲み方に力を入れているように感じ、このあたりに国民性を感じます。とはいいつつ、緑茶に何かが混ざるのを許せない自分がいますが。。
このように古くから利用されてきたメジャーなリキュールと言えます。
その利便性から成果などにも用いられるなど利用法も多岐に渡っています。
キュラソーには様々な色の種類があります。
先ほどご紹介した「コアントロー」は無色透明のホワイト・キュラソー。
「グラン・マルニエ」はオレンジというよりは褐色色のオレンジ・キュラソーになります。
それ以外にも、青色のブルー・キュラソー、緑色のグリーン・キュラソー、赤色のレッド・キュラソーも存在します。
これらはホワイト・キュラソーを合成着色料で着色したもので、主にカクテルの色付け目的で使用されています。
この着色料の添加のために、ホワイト・キュラソーに近いものの若干味が異なると言われております。
なお、オレンジ・キュラソーの褐色は主に樽熟成による着色ですが、その他の材料によっても色がついています。
また、場合によってはカラメル色素などで色調の調整がなされる場合もあります。
ただし、オレンジ・キュラソーは樽熟成による樽からの成分の溶出などがあるために、基本的にホワイト・キュラソーとは味が異なり、別物として扱うことが多いです。
甘いお酒が大好きな私としては、カクテルに鮮やかな色彩と甘みとオレンジのさわやかな香りをもたらしてくれるキュラソーはとてもありがたい存在なのですが、なかでもブルー・キュラソーは特別な存在です。
何を隠そう、わが探偵バーANSWERの名を冠するカクテル「アンサー」にも用いられています。
というのも、ANSWERのテーマカラーである美しいカラーを表現するのに最適だったのです。
ブルーに彩られたちょっと変わった探偵バーで、カクテルANSWERを味わいに是非足を運んでみてください。
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