タンカレーはプレミアムジン「ジンのロールスロイス」と呼ばれている。
生みの親は、もと聖職者。
彼がエリクサー(=秘薬、霊水)を超えるものを作りたいと思ったことがきっかけ。
このボトルの形は、カクテルシェーカーをモチーフとしてデザインされたという説と、18世紀の消火栓をモチーフにデザインされたという説がある。
中央の赤いTのマークは、「Tanqueray」の品質の証。
1830年から変わらない味わいを保っている。
伝統的なウィスキーがそうであるように、タンカレーもまた、製法やレシピは門外不出。
わかっていることは、こだわりの4回蒸留。
3回目までと4回目は蒸留器を変えるといったこだわりっぷり。
ちなみにこの4回目の蒸留器が「オールドトム」と呼ばれるもので、第二次世界大戦を唯一生き延びた蒸留器だ。
蒸留の回数が多いことで、その分すっきりとした味わいになる。
実際、他のジンと比べてみてもクセが少なく、穏やかな香味を持っている。
ビーフィターはドライ。
ゴードンはこしが強い。
ボンベイサファイアは華やか。
こんな個性あふれるジンの中では、どうしても後手にまわりがち。
しかし、通は「ジンはタンカレーで」と指定する。
渋い大人のジン。
そんなイメージだ。
このジン、裏にマティーニの作り方が書いてある。
100人のバーテンダーがいたら100通りのレシピがあると言われるマティーニだが、タンカレーは「ベルモットは2滴以上入れるな」と指示。
かなりドライに仕上がることになるが、これはタンカレーだからこそのレシピだろう。
それからカクテルグラスの縁をレモンでリンスする。
上品な仕上がりになることが容易に想像できる。
オリーブは入れなくても良さそうだ。
タンカレーのジンにはオリジナルの他に「タンカレー No.10」というものがある。
これは「TINY TEN」という、現存する最古の小型蒸留器を用いて蒸留されている。
「第10番」だから「テン」
タンカレーはこれしか置いてない、というバーもある。
ちなみに、少し甘めでオリジナルとはまた違った風味。
「オリジナルでないと」というバーテンダーと、「テンでないと」というバーテンダー。
それくらい違いが感じられるのだ。
また、タンカレーはジンだけを作っているのではない。
「タンカレースターリング」というウォッカも作っているそう。
結局、タンカレーがエリクサーを超えられたのかは謎のまま。
というかジャンルが違って比較できないと思うのだが。。
ただ、知名度の点では計り知れない。
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