先月のサクラリキュールコラムで登場したズブロッカに関してお話いたします。
味はまさに桜餅。だからサクラリキュールにマッチするんです。
なぜウォッカなのに桜餅の味がするのか。
このあたりをお話しようと思います。
まずウォッカとは何ぞやというところから説明しなければなりません。
ウォッカとはロシアでは単純に蒸留酒のことを指します。
お相撲さんが作る料理のことを「ちゃんこ」と呼ぶみたいなもんです。
ロシア人からしてみれば焼酎もウィスキーもウォッカってことになるってわけです。
原料にこだわりなく、芋だったりさとう大根だったり麦だったりと、それらを主原料に醸造、そして複数回蒸留したものがウォッカとなります。
風味などを生かすのではなく蒸留回数が多いほど高品質なウォッカとされるようです。
現代では蒸留技術も高いため、より高品質なウォッカがありますが、昔はそんな技術は無かったため、粗悪なものが多かったそうです。
蒸留が不十分だと、穀物の臭みが残ってしまいます。
匂いのもとを断つことができないので、とりあえず何か入れて何とかしようと当時の人は思ったのでしょう。
これがフレーバーウォッカの始まりです。
ジンなどにもみられますが、蒸留技術が不十分だったため香草などを漬けこんで、臭みを消すことが多かったそうです。
ズブロッカもその一つです。
ズブロッカにはズブロッカ草(別名:バイソングラス 英名:ホーリーグラス 和名:西洋香茅{セイヨウコウボウ})という"草"を漬けこみ味付けをしています。
ズブロッカ草はビャウォヴィエジャの森だかビチャビチャの森だか言われる世界遺産に登録された原生林に生えているものを使用しているそうです。
ホーリーグラス=聖なる稲?。なんてすばらしい名前なんでしょうか。
このズブロッカ草にはクマリンと呼ばれる成分が含まれています。
桜餅の匂いや味がするのはこのクマリンが含まれているから。
これはサクラにも含まれる成分だそうです。
ただこのクマリンだかクマモンだか言われる成分には危険な副作用?があるそうです。
抗菌作用があるが肝毒性、発がん性がある。
また覚醒作用もあるそうなんです。
だから聖なる稲。
そのためアメリカでは「覚せい剤」という扱いのため、現地で売っているものにはズブロッカ草が使われていないんです。
日本は桜餅を代表するように「クマリン」に対し寛大なお国。
そのためズブロッカも受け入れられているのかもしれません。
こんな"ぶっ飛び"ウォッカなズブロッカ。
製造国は世界最強の酒「スピリタス」を作っているポーランドです。
ポーランド人だいぶ飛んじゃってますね。
世界最強の酒があり、覚醒作用のある酒もある。
そんな〇〇なポーランドを私は愛してます。
次回はズブロッカよりもとぶ薬「アブサン」を紹介しようかとおもいます。
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